前回の通信ではパテントトロールの実態について解説しました。
今回はパテントトロールに狙われた場合
実際にどのような対応が必要なのかを簡単に解説していきます。

前回のブログをご覧でない方は、ぜひこちらからご確認ください!🐶
→企業を脅かす『パテントトロール』の実態とは?その対策も大公開!


■彼らが起こすアクション

まずパテントトロールは多くの場合、事前の警告なしにいきなりアクションを起こしてきます。

そのアクションというのは、
裁判所に対して「知的財産権を侵害されている!」といった訴状を提出することです。
基本的には、権利者がAmazonに直接申し立てを行うことが多いのですが、
パテントトロールの場合はAmazonに対して直接申し立てを行っているわけではないのです。

そして、裁判所はその訴状を受けて、即座に「一時的差止命令」を出します。
そしてAmazonは裁判所からの「一時的差止命令」を受け、セラーに対して
「権利者が知的財産権を侵害されたとして、商品削除や出金制限を求めている」
といった内容のメッセージを送り、
即座にアカウントの停止と売上金の凍結を行います。

そして我々Amazonセラーは、アマゾンからの警告文を確認して、
アカウントの再開と売上金解放のための対応をする必要があるのですが、
ここで1点、注意が必要です!

現状、一部のAmazonセラーが
Amazonより「知的財産権の侵害」でアカウント停止を受けていますが、
ほとんどの場合、Amazonから指示された必要書類を提出してアカウント解除を行っています。
しかし!
パテントトロールのケースでは、上記で記載しているように
裁判所からの命令でアカウント停止・売上金の凍結になっている状態ですので、
この場合にはAmazonに対してではなく
直接パテントトロールとやり取りをしなければなりません。



Amazonが仲介しない=より訴訟に近い状況
と捉えられますので、一段と慎重な対応が必要となります。



■彼らの要求とは?

パテントトロールと直接コンタクトを取った際には「和解金」を求められることが予想されます。

残念ながら、このような状況で
我々が取れる選択肢は「和解金を支払う」しかほぼないと言っても過言ではありません。
仮に訴訟に持ち込まれたとしても、勝率は非常に低いとされています。

さらに、訴訟に発展すると、和解金以上に「裁判費用」や「弁護士費用」がかさみ、
結果的に費用負担が非常に大きくなることが懸念されますので、
「和解金を払う」という選択をせざるを得ないのです。

このように、パテントトロールに狙われた場合、
速やかに「和解金の支払い」に持ち込まれるケースがほとんどとなっており、
我々セラーもそれに従うしかないような状況に置かれています。


■狙われないための対策法と事前の準備

繰り返しになりますが、
パテントトロールがどのようにターゲットを選んでいるのかは明らかになっていません。
そのため、我々ができる最も効果的な対策は、
「知的財産権侵害の恐れのあるブランドの確認を怠らない」ということです。
前回のブログでもお伝えしたように、ご自身でブランドのリストを作成したり、
弊社提供のリサーチツール「MES-AI-A」を活用することで、
知財リスクを最小限に抑えることが可能ですので、ぜひご活用ください。

また万が一、パテントトロールに狙われた場合に
パテントトロールもしくは相手方の弁護士とコンタクトをとる際は
こちらも弁護士の用意が必要になる可能性が高いので、
事前に弁護士を探しておくことも大事になります。


■注意

「知的財産権の侵害」で申し立てを行うのは、必ずしもパテントトロールとは限りません。
実際に特許や商標の権利を所有し、製造や開発を行っている企業が申し立てを行うケースもあります。
そのため、警告の内容をしっかり確認し、適切な対応を取ることが重要となります。


万が一のリスクにしっかり備えておきましょう!