2025年7月、トランプ政権による新たな関税措置が正式に発動され、日本の輸出企業にとって大きな転換点となりました。

 

ホワイトハウスは7月31日、トランプ大統領が新たな関税率を定める大統領令に署名したと発表。これにより、日本からの輸入品には正式に15%の関税が適用されることになりました。一律15%という関税率は決して軽い負担ではありませんが、当初発表されていた 24%から大幅に引き下げられた ことは、日本政府の粘り強い交渉の成果といえます!

 

特に自動車や機械部品といった主要輸出品については、これまで25%とされていた追加関税が半減され、基本税率2.5%+12.5%=合計15% に落ち着くという大きな変化が見られました。

 

その一方で、米国政府は2025年7月末に、小口輸入の免税を認めていた デミニミス制度を撤廃 する方針を発表しました。これにより、800米ドル以下の貨物であっても関税が課されることとなり、文房具や化粧品、ファッション小物などの小規模取引にも影響が出ています。

 

今回は、最新の関税ルールとビジネスへの影響、そして具体的な対策をまとめました。チャンスを逃さず利益を残すために、まずは現状を押さえておきましょう!

 目次

  • 現在の主要関税率(2025年9月時点)
  • 関税を抑えるために押さえておきたいポイント
  • まとめ

 

現在の主要関税率(2025年9月時点)

 

鉄鋼・アルミ:50%(継続中)

 「安全保障上の懸念」を理由に高関税が継続しています。事業継続には付加価値戦略や現地調達が求められます。

 

基本関税率:一律15%

(※15%以上の品目については、そのまま既存の関税率が適用されます。例:17% → 17%)

今回の改定により、これまで複雑だった関税体系がシンプルになり、基本的に一律15%の税率 が適用されることになりました。もともと3%程度だった品目は15%に引き上げられましたが、当初検討されていた24%案に比べれば大幅に低い水準に収まったのは大きな成果です。

17%など高い税率が課されていた品目については「基礎関税10%」が廃止されたことで、結果的にコストが軽減されるケースも出ています。つまり、今回の一律化は不透明だった関税ルールがわかりやすくなったうえに、想定以上の負担増を回避できる場合もあり、むしろ一部では恩恵を受けられる改定だともいえます。

 

自動車・部品:15%(25〜27.5%から引き下げ)

日本の輸出において大きな割合を占める自動車分野では、これまで 25〜27.5% に設定されていた追加関税が、今回の合意によって 15%に大幅引き下げ となりました。当初は24%への引き上げが懸念されていた中で、最終的に15%に抑えられたことはこちらも、大きな成果といえます。これにより、米国市場での価格競争力を維持できる水準に収まり、日本の自動車メーカーにとっては非常に前向きな結果となりました。

関税とは別に注意したいポイント

実はここ最近、FDA(米国食品医薬品局)の審査対象となる商品が以前よりも増えており、これまで問題なく輸出できていた商品でも、FDAの規制対象に含まれるケースが出てきています。出荷前にFDAの事前確認をしっかり行うことが大事です。

関税を抑えるために押さえておきたいポイント

結果として 相互関税の影響はほとんど見られていませんが、せっかくなら抑えられる関税はできる限り抑えたいところですよね。

ここでは、日々の中で、実際に取り入れやすい、関税を軽減するための工夫をご紹介します!

 

協定関税率の適用

日本とアメリカの間には、特定品目に関して関税を優遇する協定があります。
原産地証明書を準備して申請するだけで、通常の関税率よりも低く抑えられる場合があります。

 

正しいHSコード選び

輸出入で必ず必要になるのが「HSコード(商品分類番号)」です。
実は、同じ商品でもHSコードの選び方次第で関税率が変わることがあります。
これは 知らないと余計に払ってしまう典型的なケース。
だからこそ、事前に正しいコードを確認することがとても重要です。

 

弊社では、HSコードを最適化することで、

・不要な関税の発生を防ぐ

・関税率をできる限り抑える

そんな物流サポートを提供しています!

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輸送方法の工夫

輸送時の工夫ひとつで、余計な手数料や関税負担を抑えることができます。

 

例えば 多品目手数料

 

多品目手数料とは、1つの箱に入っているSKU(商品種類)の数が多いほど追加で発生するコスト のこと。

SKUが多ければ多いほど通関処理が複雑になり、その分余計な手数料がかかってしまいます。

 

逆に言えば、SKU数が少ない箱は手数料を抑えられる ということ。
そのため、同じ商品を複数仕入れる場合は、分散せずに 1箱にまとめて発送した方が効率的 になります。

  

さらに、ベストなのは「売れている商品を少しずつ補充する」のではなく、数か月分をまとめて1箱で送ること。こうすることで物流コストを削減できます。

 

特に、Amazon FBAにおいては、在庫が多いほどカート取得率が上がるというメリットもられます。

 

つまり、輸送の工夫は「コスト削減」「売上アップ」の両方につながる重要なポイントになります。

 

まとめ

関税環境は厳しい状況ですが、今回の合意によって 当初想定されていた24%という大きな負担を回避できた点は大きな成果です。

関税が上がったと聞くと、多くの人は「コスト増で大変だ…」とネガティブに感じるかもしれません。

 

ですが、現在の 実際の市場の動きを見てみると、必ずしも悪いことばかりではありません

弊社のアメリカ市場調査では、今回の関税率変更をきっかけに「価格転嫁が着実に進んでいる」ことを確認しています。

 

一般的には価格が上がると需要が落ちると考えられますが、現状日本製品についてはその傾向が見られません。むしろ関税分を反映した価格でも需要は堅調に推移しており、結果として「値上げしても売れ続ける」という理想的な好循環が市場に生まれているのです!

 

イメージしやすくまとめると、

という流れができつつある、というわけです。

 

当初の想定より関税は低めに落ち着き、さらに価格転嫁も進んでいる。こうした背景から、状況を冷静に見ればむしろプラスに働いているとも言えます。

 

短期的な利益の上下に一喜一憂するのではなく、長期的な視点でじっくり取り組む事業者ほど、この環境を有利に活かせるはずです! 輸出ビジネス Amazon輸出 海外発送代行