海外への荷物発送は、国際物流が発展した現代においても、必ずしも自由なわけではありません。各国の法律や国際規制により、一定の品目は送ることができなかったり、厳しい条件下でしか発送できなかったりします。

もし知らずにこれらの品目を発送してしまった場合、荷物が没収されたり、発送者に高額な罰金が科せられたり、最悪の場合は法的な処罰を受ける可能性がありますので、正確な知識と最新の情報に基づいた対策を一緒に行いましょう!

 

今回は以下の3つのカテゴリーに分け、具体的な例とともに詳しく解説します。

 

①禁制品:世界共通で一切の輸送が認められていない品目

②規制品:一定の条件や制限の下でのみ輸送が可能な品目

③許可が必要な品目:事前に関係当局からの認可や許可が必要な商品

 

 

禁制品:世界共通で送れないもの

📝禁制品の定義

禁制品とは、安全保障上、公共の秩序や倫理に反するため、どの国においても輸送自体が禁止されている品目です。これらは、違反した場合に厳しい罰則が科せられる可能性がありますので要注意です!

 

📢禁制品の具体例

■麻薬や違法薬物

例:コカイン、ヘロイン、覚醒剤、向精神薬など
→ 国際的な麻薬取引防止のため、各国の法令により徹底的に取り締まられています。

 

■爆発物・火薬・花火

例:花火、爆竹、火薬、手作り爆発物など
→ 不注意やテロ対策の観点から、どの国も原則として輸送を認めていません。

 

■武器・軍事機器

例:銃器、弾薬、軍用ナイフ、スタンガン、その他攻撃用具
→ 軍事転用の危険性があるため、国際的に輸出入が厳しく制限されています。

 

■偽造品や海賊版商品

例:偽ブランド品、違法コピーのCD/DVD、海賊版ソフトウェア
→ 知的財産権の侵害として、各国の法令により禁制品に指定されています。

 

■絶滅危惧種の動植物やその製品

例:象牙、サイの角、特定の爬虫類や鳥類の標本、天然の薬用植物
→ 国際的な条約(CITESなど)に基づき、保護が必要なため輸送が禁止されています。

 

規制品:条件付きで輸送が可能なもの

📝規制品の定義

規制品とは、原則としては発送可能な品目ですが、国や地域ごとに安全性や環境保護の観点から特定の条件や制限が設けられているものです。

これらは、適切な手続きや梱包、表示が求められ、場合によっては輸送前の申告や検疫が必要です。

 

📢規制品の具体例

■化学薬品・危険物

例:塗料、洗剤、溶剤、バッテリー、その他の化学物質
→ 各国の危険物輸送基準(国際海上危険物コード(IMDG)など)に従った梱包や表示が必要です。

 

■生体試料・動植物

例:検査用の血液、組織、培養試料、種子、苗木、観賞用の生花
→ 輸送前に検疫手続きや植物検疫証明書、動物検疫証明書の提出が求められることがあります。

 

■リチウムイオン電池

例:ノートパソコン、スマートフォン、電動工具に使用される電池
→ 発火の危険性があるため、国際航空運送協会(IATA)の規定に従った梱包や表示が義務付けられています。

 

■一部の化粧品・香水

例:アルコールを含む香水、スプレータイプの製品
→ 可燃性のため、一定量以上は航空輸送で制限があるほか、適切な包装が必要です。

 

許可が必要な品目:事前の認可が必須

📝許可品の定義

許可が必要な品目は、発送自体は可能な場合でも、国際輸送にあたって事前に各国の関係当局や国際機関からの認可や許可を取得しなければならない商品です。

これは、安全保障、医療、環境保護などの観点から、厳重な管理が求められています。

 

📢許可が必要な品目の具体例と必要な許可

■医薬品・ワクチン

例:処方薬、ワクチン、治療用医薬品
→ FDA(米国食品医薬品局)や各国の保健当局による認証や輸入許可が必要。輸出する際は、各国の医薬品輸出入に関する規定に従う必要があります。

 

■高額な技術機器・先端技術製品

例:先端通信機器、ドローン、セキュリティ関連機器
→ 軍事転用の可能性や技術流出防止のため、ITAR(国際武器取引規制)や各国の輸出管理規制に基づいた許可が必要となる場合があります。

 

■文化財・貴重品

例:美術品、古文書、考古学的遺物
→ 各国の文化財保護法や輸出規制に従い、文化庁や関連機関からの輸出許可が求められることがあります。

 

■一部の農産物・食品

例:生鮮食品、特定の果物や野菜、植物性原料
→ 食品安全基準や検疫規定に従い、農務省や各国の検疫当局からの許可が必要な場合があるため、輸出前に詳細な確認が必要です。

 

まとめ

このほかにも、国や運送会社ごとに独自のルールがある場合がありますので、発送前には必ず最新の情報をチェックしておきましょう!

日々変わる規定に対応して、最新情報の確認や専門家への相談を習慣にすることで、海外発送に伴うリスクを最小限に抑えて、確実な海外発送を実現させましょう!