関税というのは一括で語られやすいですが、
実際はかなり複雑な要素から成り立っています。
例えば、ネットで(合法に)関税を安く済ます方法を調べて、
それをそのまま実践しても上手くいきません。
なぜなら、それは1つの要素を語っているに過ぎないからです。
多分、多くの人が言っている関税=商品にかかる国策税ですよね?
国ごとの政策が色濃く反映されています。
例えば、米国行き貨物の場合、ボールペンと万年筆だったら万年筆の方が関税が低いです。
どちらとも言える商品なら、「万年筆」で申告する。
これが通関テクニックの一つですね。
ただ、注意点があって、
いくからこちらが「万年筆」で申告しても、
税関側で「ボールペン」と認定される場合があることです。
ここはどうしようもないです。
ここまでは、みんな知っている話です。(通関に詳しい人なら)
ただ、他の要素もあります。
というのが、ほとんどの場合、通関は自分ではせずにDHLやFedExなどに委託します。
この場合、クーリエの「通関手数料」というものが発生します。
これが関税に上乗せされ、実際に請求される関税というものになります。
では、通関手数料と呼ばれるものには、どんな物があるのか。
・通関委託料
・FDA手数料
・通関割増料
・保管料
・MPF
・その他手数料
実はかなり多岐に渡っており、単純な話ではありません。
では、関税を安くするには何が出来るのか、を考えます。
まず、貿易にはインコタームズなるものがあり、
当社の発送方法「超速便」の場合、DDPという部類になります。
DDPの場合、通関委託料は自動的に3300円を要します。
10万円分発送しても、100万円分発送しても3300円です。
次にFDA手数料を見ます。
これはキッチン用品や化粧品関係を送った場合にかかりますが、
実は、スポーツ用品や玩具でもとられる場合があります。
だいたい5000円程度です。※場合によります。
1申告毎の料金なので、
これも10万円分発送しても、100万円分発送しても一律です。
通関割増料は、
発送するHSコードの数に比例して請求されます。
商品の種類が多いほど高くなります。
安い商品を、種類を沢山送ると高額になりやすいです。
保管料
税関で審査されている期間が長くなると、
保管料として請求されます。
MPF
インボイス価格が20万円~23万円くらいになるとかかる可能性があります。
だいたい3000円程度かかります。※場合によります。
これらを複合的に考える必要があるのですが、
通関委託料やFDAは一定金額ですので、
たくさん商品を送ると、1商品あたりの関税が抑えられます。
通関委託料⇨3300円
FDA⇨5000円
合計⇨8300円
◎商品10個なら1個あたり830円
◎商品100個なら1個あたり83円
ただ、商品数を増やすと注意が必要になります。
通関割増料が高くなったり、MPFがかかってきます。
インボイス価格が高くなると、通関に時間がかかる場合も増えます。
そうなると保管料や他の手数料がかかる可能性が高まります。
では、正解はなにか?
実は正解はありません。
扱う商品や金額、大きさによって、戦術は大きく変わります。
例えば、安い文具ばかりを、沢山の種類を扱う場合、
通関割増料は高くなり、実質上の関税率が高くなりやすいです。
高額な商品ばかりを扱う場合、
手数料による関税率は下がるので、
金額の割合に対してかかる商品関税を下げることに注力する必要があります。
安い物でも種類が少ない場合、
高額品でも種類が多い場合、
サイズの大きな商品を扱う場合、
場合によって、最適な発送方法は実は変わります。
こんな風に、最適な発送方法を提案する仕事を
フォワーディングといい、
それを提供する業者を
フォワーダーと言います。
当社に関しては、会員様の扱う商品が複雑で多岐にわたるため、
フォワーディングが難しい状況でした。
ただ、当社では今期の課題として、明確にフォワーディングを確立していくつもりです。
また、今は会員様の荷物はそれぞれの荷物として発送していますが、
同じ宛先の場合、集約して1つの貨物として輸送が可能です。
通関上のリスクは高まりますが、以下の削減が可能です。
・送料(恐らく1割~2割削減可能)
・関税(恐らく1%~3%削減可能)
これを1つのサービスとして確立している途中です。
会員様の利益は、すなわち当社の利益です。
近いうちに新しい物流のあり方を提案できる予定です!